製造業の給与・働く時間・休み

製造業の事務職の平均月額給与は344,200円、販売職は387,300円です。同じ業界でも、職種によって給与の水準は異なります。

この金額は、公的統計の「事務従事者」「販売従事者」の平均で、残業代・賞与を含まない所定内給与です。特定の仕事内容や資格を持つ人だけの平均ではありません。

この記事では、事務職・販売職の給料と残業時間、製造業全体の年間休日・有給休暇の取得日数を紹介します。あわせて、求人を選ぶときに確認したいポイントを解説します。

製造業の給料はどれくらい?

まずは月額給与を確認しましょう。ここで比べるのは、残業代・賞与を含まない「所定内給与」です。

製造業の平均月額給与

製造業の平均月額給与
指標 事務職 販売職
所定内給与/月 344,200円 387,300円

2025年6月/残業代・賞与を含まない月額。手取りではありません。

事務職と販売職の給料の差

販売職の平均月額給与は、事務職より43,100円高く、約13%上回っています。給与を比較している人たちの平均年齢・勤続年数も見てみましょう。

給与の背景となる年齢・勤続年数

給与の背景となる年齢・勤続年数
指標 事務職 販売職
平均年齢 44.9歳 43.1歳
平均勤続年数 15.8年 13.1年

給与と同じ調査対象の平均・2025年6月

平均年齢は事務職44.9歳、販売職43.1歳です。平均勤続年数は事務職15.8年、販売職13.1年となっています。

職種によって年齢・勤続年数の構成は異なります。ただし、この表だけで年齢や勤続年数の違いが給与差の原因だとは判断できません。

他業界と比べた給料の水準

当サイトの16業界を、同じ職種の給与が高い順に並べると、製造業は事務職が7番目、販売職が6番目です。建設業・卸売業・小売業・情報通信業と比較すると、次のようになります。

製造業と他3業界の平均月額給与

製造業と他3業界の平均月額給与
業界 事務職 販売職
製造業 344,200円 387,300円
建設業 320,500円 395,600円
卸売業,小売業 347,500円 318,300円
情報通信業 398,100円 402,300円

2025年6月/各業界の所定内給与。残業代・賞与を含まない月額。

事務職は建設業より高い、卸売業・小売業・情報通信業より低い水準です。販売職は卸売業・小売業より高い、建設業・情報通信業より低い水準です。事務職を建設業と比べた差は23,700円です。

製造業の給料が他業界より高いか低いかは、比較する職種と業界によって変わります。年齢・勤続年数・企業規模などにも違いがあるため、希望する職種の給与水準を知る目安として見てみましょう。

求人の月給と比較するときのポイント

求人の月給と統計の平均を比べるときは、残業代が含まれているかを確認しましょう。

月給28万円・固定残業代3万円の求人例

月給28万円・固定残業代3万円の求人例
項目 金額
求人に記載された月給 280,000円
うち固定残業代 30,000円
残業代を除いた月額 250,000円

比較方法を説明するための架空の求人例です。

この例では、統計との比較に残業代を除いた25万円を使います。事務職の平均344,200円と見比べたうえで、次の条件も確認しましょう。

求人票で確認する3つのこと
  • 手当:通勤・住宅・資格などの手当は、自分が支給対象になるかを確認する。
  • 賞与:月額給与の表には含まれていないため、支給条件と実績を別に確認する。
  • 経験条件:未経験者向けか、経験者向けかを確認する。統計の平均は新入職者だけの給与ではない。

製造業の残業時間

次に、1か月の残業時間を確認しましょう。ここで比べるのは、給与と同じ調査の「超過実労働時間」です。

製造業の月間残業時間

製造業の月間残業時間
指標 事務職 販売職
残業時間/月 10時間 9時間

2025年6月/超過実労働時間の月間平均。特定の仕事内容だけの平均ではありません。

事務職と販売職の残業時間の差

事務職の月間残業時間は、販売職より1時間長くなっています。残業だけでは勤務時間全体は分からないため、所定内時間と総実労働時間も見てみましょう。

製造業の月間労働時間

製造業の月間労働時間
指標 事務職 販売職
所定内時間/月 161時間 166時間
総実労働時間/月 171時間 175時間

2025年6月/総実労働時間は所定内時間と超過実労働時間の合計。

事務職は所定内161時間と残業10時間を合わせて171時間、販売職は所定内166時間と残業9時間を合わせて175時間です。販売職の総実労働時間は、事務職より4時間長くなっています。

これは2025年6月の平均で、毎月同じ時間働くことを示す数字ではありません。勤務先や担当業務による違い、繁忙期の増減は、応募先の実績で確認しましょう。

他業界と比べた残業時間の水準

給与と同じ3業界を取り上げ、同じ職種の残業時間を比較します。

製造業と他3業界の月間残業時間

製造業と他3業界の月間残業時間
業界 事務職 販売職
製造業 10時間 9時間
建設業 8時間 13時間
卸売業,小売業 7時間 9時間
情報通信業 11時間 13時間

2025年6月/各業界の超過実労働時間の月間平均。

事務職は建設業・卸売業・小売業より長い、情報通信業より短い水準です。販売職は卸売業・小売業と同じ、建設業・情報通信業より短い水準です。事務職を建設業と比べた差は2時間です。

事務職と販売職では、他業界との違いの出方も異なります。「製造業は残業が少ない」と業界名だけで判断せず、希望する職種の数字を見比べてみましょう。

求人の残業時間と比較するときのポイント

求人に「月平均の残業時間」が書かれていても、会社全体か、配属予定の部署かで対象が変わります。統計の月間平均と見比べるときは、集計対象と期間を確認しましょう。

本社、工場、販売拠点のどこに所属するか、生産・出荷に合わせた勤務や繁忙期があるかを確認してください。製品分野による違いは大分類平均では分かりません。

残業・勤務時間で確認する3つのこと
  • 残業の実績:配属予定の部署について、通常月・繁忙期それぞれの残業時間と集計期間を確認する。
  • 担当業務:窓口・管理事務・営業などの担当範囲と、所属する拠点や部署を確認する。
  • 勤務時間帯:早番・遅番、夜間対応、交替勤務の有無と、始業・終業の時刻を確認する。

製造業の年間休日と有給休暇

休みは「年間休日」と「有給休暇の取得日数」を分けて確認しましょう。ここからは事務職・販売職別ではなく、製造業の業界全体の平均です。

製造業の年間休日・有給取得

製造業の年間休日・有給取得
指標 平均日数
年間休日 119.3日
有給取得 13.7日

業界全体の平均/年間休日:2024年、有給取得:2024年(又は2023会計年度)の実績。

年間休日と有給取得日数の違い

年間休日は119.3日、有給取得は13.7日です。年間休日は勤務カレンダー上の休み、有給取得は年次有給休暇を実際に取得した日数を示します。

年間休日と有給取得の見方

年間休日と有給取得の見方
指標 確認する内容
年間休日 勤務先が定める休日の日数。土日祝日が休みか、シフト制かは日数だけでは分かりません。
有給取得 実際に取得した日数の平均。付与日数や、希望日に休めることを示す数字ではありません。

いずれも業界全体の指標で、事務職・販売職それぞれの休みではありません。

2つは別々の集計による平均です。足し合わせて応募先で休める日数と考えず、求人の年間休日数と有給休暇の取得実績をそれぞれ確認しましょう。

他業界と比べた休日・有給の水準

給与・残業と同じ3業界を取り上げ、業界全体の年間休日と有給取得日数を比べると、次のようになります。

製造業と他3業界の年間休日・有給取得

製造業と他3業界の年間休日・有給取得
業界 年間休日 有給取得
製造業 119.3日 13.7日
建設業 117.9日 11.1日
卸売業,小売業 116.3日 10.5日
情報通信業 123.2日 12.7日

業界全体の平均/年間休日:2024年、有給取得:2024年(又は2023会計年度)の実績。給与・残業とは調査対象が異なります。

年間休日は建設業・卸売業・小売業より多い、情報通信業より少ない水準です。有給取得日数は建設業・卸売業・小売業・情報通信業より多い水準です。建設業との年間休日の差は1.4日です。

年間休日が多い業界ほど、有給取得日数も多いとは限りません。休みの量と取り方は分けて見比べ、希望する働き方に合うかを勤務先ごとに確かめましょう。

求人の休日条件と比較するときのポイント

求人の年間休日数が平均に近くても、土日祝日に休めるとは限りません。所属する拠点の営業日と、自分が担当する仕事の勤務カレンダーを確認しましょう。

希望する曜日に休めるか、連休を取れるかは、日数とは別に確認したい点です。事務職・販売職それぞれの募集条件と、配属予定の部署の実績を確かめましょう。

休日・有給で確認する3つのこと
  • 休日の内訳:年間休日数に加え、土日祝日の勤務やシフトの条件を確認する。
  • 休日出勤:出勤の頻度と、振替休日・代休の扱いを確認する。
  • 有給の取り方:配属予定の部署の取得実績、申請方法、繁忙期や連休取得の運用を確認する。

製造業に含まれる事業

ここまでの数字は、公的統計の産業分類「製造業」を対象にしています。特定の企業や仕事だけに限った平均ではありません。

対象に含まれる主な事業

物質に加工を加えて新しい製品を作り、主に卸売する事業所を含みます。完成した部品の組立も対象です。

勤務先の事業と、実際に担当する職種を分けて確認しましょう。

別の業界になる事業との違い

自分で作った商品を店舗でその場で消費者へ販売する製造小売は、小売業に分類されます。単なる包装・選別も製造業と同じとは限りません。

名称だけで、この統計の対象と判断することはできません。求人の勤務先の事業を確かめてから、該当する業界の平均と比べてみましょう。

他業界と比較する

給与・残業は事務職と販売職を分け、年間休日と有給取得日数は業界全体の指標として見てきました。気になる条件を決めて、同じ職種・同じ指標で比較を広げてみましょう。

トップページでは16業界を一覧で比較でき、給与と残業は事務職・販売職を切り替えられます。休日・有給は業界全体の平均です。

平均の違いには、年齢・勤続年数や企業規模などの構成も影響します。比較で気になった点は、応募先の求人票や面接で具体的に確かめてください。

求人・企業を確かめる手順 / 数字の読み方

データの対象と出典

給与・残業時間・年齢・勤続年数

2025年賃金構造基本統計調査の職種第20表を使用しています。対象は2025年6月の一般労働者、男女計、企業規模10人以上です。職種は「事務従事者」「販売従事者」で、特定の職業や資格を持つ人だけの平均ではありません。

所定内給与は残業代・賞与を含まない月額で、手取りではありません。残業時間は「超過実労働時間」の月間平均です。総実労働時間は所定内時間と超過実労働時間の合計です。各数値は勤務先ごとの給与・残業実績を保証するものではありません。

出典:賃金構造基本統計調査・職種第20表

年間休日・有給休暇の取得日数

2025年就労条件総合調査を使用しています。対象は常用労働者30人以上の民営法人です。年間休日は2024年実績の労働者加重平均、有給取得は2024年(又は2023会計年度)実績の取得日数です。有給の集計は男女計・企業規模計・計画的付与制度計を使用しています。

給与・残業とは調査対象が異なり、休日・有給は事務職・販売職別ではなく業界全体の平均です。有給取得日数は付与日数ではありません。

出典:就労条件総合調査・年間休日(第7表) / 有給取得(第9-1表)

業界の範囲の参考資料

業界の範囲:日本標準産業分類「製造業」(e-Stat)

サイト全体の出典・集計方法 / 数字の読み方